新卒エンジニア研修2025!成長の舞台裏をお見せします

キャリアを考える上で、入社後の学びの機会は気になるポイント。今回は、グリーグループの新卒エンジニア研修をご紹介します。現場で活躍する先輩エンジニアが講師となり、どのようなカリキュラムを通じて新卒メンバーが実践的なスキルを習得していくのか、その内容と研修の様子を参加者の声とともにお伝えします。

新卒エンジニア研修のスケジュールとゴール

新卒エンジニア研修は、4月から11月まで約7カ月に渡って業務と並行で行われます。「学ぶ」「交流」「発信」、それぞれについてカリキュラムが組まれ、受講することでそのゴールが達成できるように設計しています。
カリキュラムを設計する上で特に大切にしたのは、「学び続ける習慣を身につけること」。学生時代とは異なり、社会人になってからの学びは、自ら意識しなければ継続するのが難しいものです。そのため、研修では座学のような受け身の学びだけでなく、交流や発信など多様なアクティビティを取り入れ、楽しみながら学び続けられる仕組みを大切にしています。

研修のスケジュールの一部

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研修のゴール
「学ぶ」
わからないことをわからないと言えるようになっている
「交流」
偶発的な出会いと発見を意識できるようになっている
「発信」
個人としての発信と組織の一員としての発信の違いがわかるようになっている
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研修の一部を紹介!特長の一つは「振り返り発表」

研修は必ず前回の研修の振り返り発表と講義がセットになっています。振り返り発表では、前回の講師から学んだことを新入社員の代表がペアとなってまとめ、発表します。
取材に入った回では「認証/認可」について発表していました。ただ学んだことをまとめなおしてアウトプットするだけではなく、追加で具体例を紹介したり、手元を投影しながらその場で実践したりと、工夫を凝らして発表していきます。

「認証/認可」について発表された岩崎さんと福田さんに、発表するにあたって工夫されたことを伺いました。

岩崎:株式会社WFS / スタジオ本部 / 第2スタジオ部
前回林さんの講義で扱われた「認証/認可」は、身近な一方、OAuth※やOIDC※といった仕組みを体系的に学んだのは初めてで、他人に自信を持って説明できるか不安でした。そこで発表では「自分の言葉で説明できる」状態を目標とし、自身のプロダクトでの活用例や学生時代の研究分野の論文を調べるなど、自分事として捉えることで理解を深めました。また、共に準備を進めた福田くんと議論を重ね、認識をすり合わせながら資料を作成した経験も、多角的な視点を得る上で大きな助けとなりました。発表本番では、身近な例えや図を用いて、自分なりに噛み砕いて説明するようにしました。

※OAuth(オーオース) …Webサービス間でユーザーの情報を安全に共有するための仕組み。ユーザーは自分のアカウントのパスワードを直接共有することなく、他のサービスにアクセス許可を与えることができる。これにより、利便性とセキュリティの両方を向上させることができる。
※OIDC(OpenID Connect)…Webサービス間でユーザーの認証情報を安全に連携するためのプロトコル。(コンピュータでデータをやりとりするために定められた手順や規約、信号の電気的規則、通信における送受信の手順などを定めた規格)

福田:グリーエックス株式会社 / サービス統括本部 / 開発部
私は振り返り発表の中でOAuthの領域を担当しました。堅い内容になりがちな技術の話ですが、皆さんに興味を持ってもらえるよう、身近なプロダクトの例を挙げて説明することを心がけました。実装例を交えて解説することで、OAuthの認可フローが実際にどのように動いているのか、具体的なイメージを持っていただけるように工夫しました。
今回の研修を通じて、「技術を人に伝えること」の難しさを痛感しました。自分が理解している内容であっても、それを他者に正しく・分かりやすく伝えるには、さらに深い理解と工夫が必要だと実感しました。特に、受講者の視点に立って、「何が分かりにくいか」「どこで疑問を感じやすいか」を常に想像しながらコンテンツを組み立てることの重要性を学びました。
これらの学びを今後のアウトプットにも生かしていきたいです。



発表のスライド
「認証/認可」について講義をされた林さんから、二人の発表についてコメントをいただきました。

林:株式会社グリー / 開発本部 / 技術事業戦略室 室長
新卒エンジニア研修お疲れ様でした!私が担当させていただいた「認証/認可」について、岩崎さん・福田さんに振り返りの発表をしていただきましたが、二点素晴らしかった点についてお話をいたします。
一つ目は、インターネットの前提を私からお話しさせていただきましたがその点をしっかり受け止めてくださっていた点が素晴らしかったです!
二つ目は、前提を踏まえた上で岩崎さん・福田さんがそれぞれOAuth/OICDのデモをしっかり作った上で発表くださり、とても良い発表になっていました!
毎年同じテーマでも違った捉え方がされる講義内容ではありますが、実務で使える形で振り返りに臨んでくださった点については皆さんの研修への取り組みの姿勢が表れていて素晴らしいなと感じました。
これからもこのような姿勢で学び実務に反映していっていただければ幸いです!

研修立案者からの言葉

最後に今回の研修を企画したメンバーのコメントをお届けします。

佐島:株式会社グリー / コーポレート部 / DevPRチーム
新卒エンジニア研修には、もう10年近く関わっています。
グループ全体で手がける事業領域は年々変化しており、事業を横断した共通研修の在り方については、常に模索を続けています。初期の研修では座学が中心で、「いかに受講者から多くの質問を引き出すか」をテーマとしていましたが、講義直後に質問を考えること自体が高いハードルであることに気づきました。
そこで昨年からは、学習方法と理解の深さの関係を示した「ラーニング・ピラミッド」というモデルを参考に、「人に教えることが最大の学びになる」という考え方を取り入れ、振り返り発表の機会を設けました。
この取り組みに一定の手応えを得られたため、今年は振り返りの時間を昨年の三倍に拡充。受講者がより主体的に学び、楽しみながら知識を深められる研修プログラムへと進化させています。

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