会社のこと

【特集】みんなが活躍できる社会へ。GBOに根付いたグリーの前向きな文化。

グリービジネスオペレーションズ株式会社(以下「GBO」)は、2012年にグリーの特例子会社(※)として設立されました。横浜港すぐそばの横浜・桜木町にあるオフィスでは、ADHD(注意欠陥・多動性障がい)やアスペルガー症候群といった発達障がいを持つメンバーが、グリーグループの関連業務を行っています。実際の仕事内容や職場環境、そして仕事を通じてどんな気付きや成長があったのか、話を伺いました。

※厚生労働省の許可を受けて障がい者雇用のために設立、経営する子会社のこと。

中島 中島 グリービジネスオペレーションズ株式会社 事業管理部
学生時代にアスペルガー症候群と診断され、大学卒業後に発達障がい者向けの支援機関の紹介でGBOに入社。Photoshopを用いた画像加工の業務を得意とする他、ゲームのアイテム名を考える業務なども担当する。趣味はゲーム実況動画を観ることという、根っからのゲーム好き。

野澤 野澤 グリービジネスオペレーションズ株式会社 採用担当
2012年にグリーに入社し2年間人事労務を担当。現在はGBOで障がいを持つメンバーのサポートや、依頼を受けた業務内容の精査や割り振りを担当している。各メンバーとコミュニケーションをとることを大切にしており、本人のやる気や体調に配慮したきめ細やかなフォローで社員からの人望も厚い。

古堂 古堂 ファンプレックス株式会社 デザイナー
家庭用ゲームからスマホゲームまで幅広くプレイするゲーム好き。札幌でCGデザイナーとして働いていたが、もっとゲームに関わる仕事をしたいと上京。仕事では常にお客さま目線に立ち、お客さまに喜ばれる作品を作ることをモットーとしている。

障がいを持つメンバーが、それぞれの特性と強みを生かす

――今日はGBOで、どのような仕事をされているのかを伺いたいと思い、業務に関わる3名の方に集まっていただきました。中島さんと野澤さんが実際にGBOで働いていらっしゃるのでしょうか?

中島 中島:はい、私はGBOに入社して3年になります。今はPhotoshopやIllustratorなどのソフトを使っての画像加工や、ゲームのアイテム名の考案といった業務を担当しています。

野澤 野澤:GBOは、障がい者を雇用するグリーの特例子会社として2012年に設立されました。当初はメンバー5名と代表、管理担当1名の計7名でスタートしましたが、今では40名弱の障がいを持った方が働いています。そのうちの約8割が発達障がいの方です。私は2014年3月にグリーの人事部からの業務委託として携わっており、GBOのメンバーのサポートや依頼される仕事の窓口を担当しています。案件ごとの作業内容や難易度、そして納期に余裕があるのかどうかを精査して受けられるかどうかを判断し、受注したものはメンバーの障がい特性や本人の希望、体調などを考慮した上で業務を割り振っています。

――古堂さんは仕事をGBOに依頼する、いわば発注元ということですね。

古堂 古堂:そうですね。所属しているのはファンプレックスというゲーム運営に特化したグリーのグループ会社で、チーフデザイナーとして働いています。2017年の9月からトライアルを経てデザイン業務の一部を発注するようになりました。

――GBOの具体的な仕事内容についても教えてください。

野澤 野澤:会社の設立当初は紙の書類をPDFに変換したり、アンケート集計や音声の文字起こしといったシンプルな作業が中心でした。最近では成果物の品質に対して評価を頂き、GBOに業務をお願いしてみようというご要望が、徐々にグリーグループ全体に広まっています。これまで通りのシンプルな業務に加え、より難易度の高いデータ集計やゲームに直接関わるものも増えてきており、案件数は月に150~200件ぐらいになっています。

――担当業務の領域や件数が、この5年間でかなり広がってきたんですね。

野澤 野澤:おっしゃる通りです。ただ、GBOメンバーは必ず定時で帰宅するというルールがあるので、残業を伴う案件や、そもそも納期に余裕がなく遅れたらお客さまにご迷惑をお掛けする可能性がある場合は、お断りしています。時間がない中で作業をすると、普段できることが急にできなくなってしまう場合があるからです。

――メンバーの障がい特性や、個々のキャパシティにも配慮しているんですね。

野澤 野澤:はい。中でも中島さんは意欲的で、入社当時はPhotoshop未経験者だったにもかかわらず周囲の社員と共に使い方を習得し、今では画像加工の多くを担当しています。また、ゲーム好きであることを生かして、業務の範囲も広げてくれました。作業も速く何事にも前向きに取り組んでくれるので、仕事を抱えすぎないか心配になるほどです(笑)。

――中島さんはどのようなきっかけでGBOに入社したのですか?

中島 中島:大学を卒業したあと、発達障がいに特化した就労移行支援のサービスを受けていて、そこでGBOを紹介してもらいました。もともとゲームが好きだったので、グリーのグループ会社というところに興味を持ちました。

野澤 野澤:入社してしばらくは中島さんもデータ入力などを担当していましたが、2年くらい前にグリーからブラウザゲーム系の業務を依頼したいという話が出てきました。ゲーム好きの彼女ならそういう仕事にも挑戦できるのではないかと思ってお願いしました。一番最初は「アバター」で使われるアイテム名を考案するというものでした。

――アイテム名の考案は、それまでとはまったく異なるタイプの仕事ですね。

野澤 野澤:アイテム名は最終的にお客さまの目に直接触れるということもあり、GBOとしても初めての試みでした。最初は中島さんと試行錯誤の連続でしたが、この仕事で成果を出したことで複数のプロダクトから依頼をいただくようになりました。

中島 中島:ゲームによって世界観がまったく違うので、求められているものをつかむために何度もフィードバックをもらいながら作業しました。自分でいろいろ思考して提案できるというところが新鮮で面白かったです。

野澤 野澤:中島さんはもともとゲームが好きだったので、この仕事がぴたりとはまったのかもしれません。40名もメンバーがいれば、持っているスキルもさまざまで、彼女のように画像加工のような仕事が得意な人もいれば、データ入力にやりがいを持つ人もいます。最近はメンバーがそれぞれの特性を生かして、いいバランスで業務を受けられるようになってきたと思います。

中島 中島:これまでも社内ポータルサイト用の写真を加工する仕事でPhotoshopに触れる機会はありましたが、画像加工の仕事をやらせてもらえるようになってから大幅にスキルアップできました。GBOでは前向きに仕事に取り組めば、それだけチャンスを与えてくれます。

杞憂に終わったいくつかの不安

――古堂さんがGBOに仕事を依頼するようになった経緯を教えてください。

古堂 古堂:もともとはファンプレックスの朝会で共有された「GBO Go!Go!キャンペーン」がきっかけでした。私たちも新しいタイトルが出たらすぐに対応できるように、外注先を探していたところでした。

野澤 野澤:私たちとしても、いろいろな案件を受けることでグリーグループへの貢献度をさらに高めていきたいと考えていました。そこでまずはGBOのことを知っていただくことからスタートしようと考え、グリー、ファンプレックスの方とともに「GBO Go!Go!キャンペーン」を企画しました。朝会では、過去に依頼されたときの効果や依頼方法などを社内に展開してもらいました。

古堂 古堂:最初は完成した画像データのサイズ確認や、名前チェックといった簡単な作業が中心になるのかな、と思っていました。でも別のデザイナーから「GBOにはPhotoshopを使える人がいるらしい」という話を聞いたので、「できれば画像加工までお願いしたい」ということを伝えた上でGBOに見学に行きました。

野澤 野澤:当時、中島さんが担当していた画像加工の業務を見てもらったら「これならお任せできそう」ということで、一度トライアルという形で本番同様の業務を受けることになりました。

――実際に仕事を依頼してみて、発注の手間や仕上がりについてはいかがでしたか?

古堂 古堂:外注先にお願いするために用意した資料をそのまま使ったので、発注の手間はまったくありませんでしたね。「GBOにはもっと丁寧に説明しないと困らせてしまうかな」とか「結構時間がかかるのかな」などいくつか不安はありましたが、どれも杞憂に終わりました。きちんと納期内に仕上げてくれたのはもちろん、成果物のクオリティも社内で作るものと遜色なかったので驚きました。チームのデザイナーも「とても丁寧に対応してもらえてうれしい」と、喜んでいました。

中島 中島:そう言っていただけると、すごくうれしいです。

古堂 古堂:トライアルでの結果に満足したので、翌月には早速本番の仕事を発注しましたし、今後もGBOに仕事を依頼しようという流れになっています。

――中島さんの活躍の場がさらに広がりそうですね。他にも挑戦してみたい仕事はありますか?

中島 中島:画像加工系の業務はこれからも挑戦していきたいです。Photoshopで使ったことのない機能がまだまだたくさんあるので、もっと習得して使いこなせたら楽しいだろうなと思っています。

障がいで悩んだ人にも、仕事を通じて長所を見つけてもらいたい

――GBOは障がいをもつ中島さんにとって働きやすい環境ですか?

中島 中島:野澤さんをはじめサポートしてくれるスタッフが、マメにコミュニケーションを取ってくれますし、業務や体調のことも配慮し、場合によっては調整してくれるのでとても働きやすいです。過去に業務を抱えきれなくなってしまったことがあるのですが、そのときもすぐにサポートに入ってくれたので助かりました。

――GBOで働くメンバーには役職もあるのでしょうか?

野澤 野澤:「役職」というよりは「役割」というニュアンスで、チームごとにリーダーとサブリーダー、業務ごとに取りまとめ役を設けています。現在、中島さんにはサブリーダーをやってもらっています。

――中島さんはサブリーダーになってから、ご自身に変化はありましたか?

中島 中島:責任感が強くなったかなと思います。他のメンバーの仕事の進捗を把握するのは大変ですが、その分やりがいもあるので。

野澤 野澤:中島さんはリーダーを任せられる方だと思っているので、私たちも期待しています。

――野澤さんがメンバーをサポートするにあたって、気をつけていることはありますか?

野澤 野澤:しっかりコミュニケーションを取ることでしょうか。メンバー全員がそれぞれの仕事で成長してもらいたいと思っているので、「その仕事は難しい」「できません」ではなくて、どうやったらできるようになるのかを一緒に考えます。もしミスをしてしまったら次はどうすればミスをしなくなるかなど、常に前を見て進められるようなサポートを意識しています。また会社としても、休憩スペースを設けたり、音や光に過敏な方のためにイヤーマフやサングラスを用意したりと、メンバーそれぞれが落ち着いて仕事に取り組めるような環境づくりも心掛けています。その甲斐もあってか、皆勤賞のメンバーも多く、GBOでは勤怠率が毎月95%を超えているんですよ。

――勤怠率95%というのは、一般の会社と比べてもかなり高い数字なのではないでしょうか。

野澤 野澤:この勤怠率を伝えると、グリーの方から「うちより高いかも」と驚かれます(笑)。でもこれを実現するまでに、いろいろな取り組みを行ってきました。体調が不安定で朝が弱い方や、定期的な通院で少し遅れて出社したい方などに対応するために、時間単位で有給休暇を取れる制度を導入しています。これはグリーにはないGBO独自の制度です。他にもメンバー一人一人に目を配り、疲れていたり調子が悪そうだと感じた人には早めに声を掛けて休んでもらうようにしています。メンバーの体調が悪くならないように、ということを考えて、仕事のことも体調のことも何かあれば相談してもらえる社内の雰囲気を作り、信頼関係を積み重ねた成果がこうして少しずつ形になってきていると思うとうれしいですね。

――最後に、発達障がいを持っている人たちがもっと活躍できる世の中になるためには、何が必要だと思いますか?

中島 中島:発達障がいというものが、社会にまだまだ理解されていないと感じます。私が学生時代に発達障がいだと診断を受ける前は、自分ができないことが他の人より多い理由がわからず、周りの人の言葉に傷つき、自信をなくすこともありました。発達障がいを持っている人の中には、私と同じように自信をなくしたり自尊心を傷つけられてしまった人がたくさんいますが、その方々には仕事を通じていろいろなことに挑戦し、自分の長所を見つけてほしいです。そのためにも会社や周囲の方々は、障がいを持つ人たちにその機会を積極的に与えてもらえるとうれしいです。私自身、GBOでいろいろな仕事をやらせてもらえたことで、世の中に貢献していると身をもって実感しています。

野澤 野澤:GBOとしても、企業ビジョンにあるように「障がい者の方々が自身の能力を最大限に発揮でき、仕事を通じて自律的に成長し続けられる会社を創る」ことで、グリーグループの一員として事業への貢献できるよう、いろいろな取り組みを続けていきたいと思います。

サブリーダーとして多くの業務を抱えている現在の自分自身を、「昔の自分からはまったく想像もできなかった」と言う中島さん。GBOに入社してから、さまざまな仕事を通じて自分の長所を見つけることができたそうです。インタビューで社内のサポート体制や彼女の成長を聞いていると、「現状に甘んじない。さらに高い目標をめざす。」「常に前向きに挑戦する。成功するまでやり続ける。」というグリーの文化が、ここGBOでも確実に息づいていると強く感じました。
※取材は2017年12月に行いました。

以上

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