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グリー若手社員が直面したグローバルな課題とは? ベトナムにあるグリーのオフショア拠点をご紹介

Xin Chao!(ベトナム語で「こんにちは」)、広報チームの三木です。
ベトナムはホーチミン市内にあるカオスなテーマパーク「スイティエンパーク」が気になる今日この頃です。

近年、国内企業の多くがグローバリゼーションの流れを受けて、生産・販売拠点を海外に設立しています。企業によっては、グローバル人材、次世代リーダーの育成を目的として、若手〜中堅社員に海外で経験を積んでもらう、という効果を図っているところも多いでしょう。帝国データバンクの調査によると、国内企業の27.0%が直接・間接のいずれかで海外に進出しているとのことです。また、今後の海外進出で最も重視する国・地域としては、ベトナムがトップに選ばれています。

私たちグリーが身を置くモバイルゲーム市場では、市場の成熟とデベロッパーの増加にともない競争が激しくなっていますが、新規ゲームの開発にリソースを向けるために、既存ゲームの運用を海外にアウトソーシングする企業が徐々に増えてきています。
グリーも例外ではなく、いかにコストを抑えつつ高品質な運用を維持するかが課題です。その取り組みのひとつとして、昨年ベトナムにオフショア拠点を開設し、複数のゲームタイトルの運用を始めました。そこでは、日本から派遣されたエンジニアが現地のエンジニアをマネジメントしつつ、運用業務に当たっています。

今回、ベトナム拠点に着任した若手エンジニア2人が、具体的にどんな課題に直面し、どんな経験を積むことができたのか、お伝えしたいと思います。インタビュー形式でお届けしますので、ご覧ください。

グリーのオフショア拠点について

インタビューに入る前に、グリーのオフショア拠点について簡単にご説明します。



場所はベトナム最大の経済発展都市であるホーチミン市内にあり、グリーのモバイルゲームの一部運用を担当しています。専属チームのエンジニアがローテーションでベトナムに渡り、ベトナム人のエンジニアと協力して、数十人体制で運用業務に当たっています。日本語で会話可能なエンジニアも一部いるため、両者の間に通訳として入ることでコミュニケーションを図っています。

日本のオフィスとのコミュニケーションは、基本的にチャットと電話会議を利用して行っています。なお、日本とベトナムの間には2時間の時差がありますが、日本側に業務時間を合わせているため、始業と終業が2時間早くなります。

石上 直孝

  • 新卒3年目の石上は、小学校5年生から自分で作ったゲームをインターネットで公開してきた経歴の持ち主。「2chのスレッドで、もう落とせないゲームとして、自分の作ったタイトルが挙がることもある」とのこと。エンジニアが非エンジニアの領域まで仕事ができるという理由から、グリーに入社。

桝田 清史

  • 新卒4年目の桝田は、大学では工学部で医療機器について研究しており、プログラム経験はなかったものの、インターネット業界への熱意から、グリーに入社。

(注:以下、特に名前のない回答は共通のコメントです)

突然訪れた海外プロジェクトへの参加機会

まずは、ベトナム拠点に着任するまでの経緯を教えてください。

石上(以下、I):自分は、入社後ずっと内製モバイルゲームの運用を担当していたのですが、社内でベトナムでオフショア拠点を本格的に立ち上げるという話があり、マネージャーからプロジェクト参加の打診を受けました。自分としてはどこに行っても大丈夫って感じで特に不安もなかったので承諾し、現地に翌月から渡ることが決定しました。

桝田(以下、M):自分は設立から2カ月経過した段階で、現地での運用プロダクトを増やすというミッションでプロジェクトに加わりました。学生時代にバックパッカーとしてベトナムの滞在経験があり、刺激的な国でいい印象だったので、抵抗はなかったです。

ベトナム拠点での体制、また業務の内容について教えてください。

運用しているゲームタイトルごとに担当チームが分かれています。チーム内の構成としては、マネージャーである日本人エンジニアが1人、ベトナム人のエンジニアが数人、通訳を担当するブリッジSEが1人、という形が標準的です。 国内のゲームタイトルの定常的な運用のほか、日本で企画したゲーム内イベントをベトナム側で開発するなどの業務を行っています。

海外プロジェクトのマネジメント業務は大変だと思いますが、実際どうですか?

M:グリーに入社してから、これまでマネジメント経験はなかったですし、自分自身そのような志向もありませんでした。ですが、ベトナムのメンバーから見ると、自分は立派なマネージャーです。現地ではリーダーシップを意識して行動する必要がありますし、純粋にメンバーが成長してできる事が増えていくことは嬉しいです。会社としても、ベトナムで開発した機能が利益につながって事業の柱となる事は、やりがいを感じますね。

日本人とベトナム人との違いからくる苦労とは?

日本人とベトナム人とで、仕事観で違いを感じることはありますか?

良い意味でも悪い意味でも、仕事の優先度は低いですね。「姉のパーティーに出席します」という理由で唐突に早退したり、想定外なことがいろいろと発生したりします。
また、短期的な視点で仕事している人が多いです。日本ほどサービス品質について細かい事を気にせず、とにかく納品物が動けばいい、という感覚ですね。日本ではあまり考えられませんが、完成したコードをレビュー、テストというプロセスを踏む事なく、すぐにリリースしたり……。
ある時、こんな事がありました。イベントの開発進捗を確認したところ、動いているアプリを見せて「問題ない」と回答もらったのですが、実際にコードをチェックしたところ実はバックエンドの開発が全く進んでおらず、スケジュールに間に合わないという事が判明しました。

そういった場合、どのように対処して解決したのでしょうか?

その場で強く言い聞かせても、表面的な反省にとどまり、過ちを繰り返す可能性があります。そこで「このままだと何が起こると思いますか?」など伝えて、本人に自発的に気付いてもらう、という指導方法を取りました。粘り強く指導を続けた結果、サービス品質についての重要性を理解してもらえました。非常に優秀な方が多いので、一度過ちに気が付くとすぐに改善してもらえますね。

現地で最も苦労した経験はなんでしょうか?

I:拠点を設立した当初は、成功事例がないため、すべてをゼロベースで考える必要がありました。日本語が堪能でないベトナムのエンジニアをどうマネージしていくか、というのは課題のひとつでした。思案した結果、まずは仕様書を徹底的に作り込むことにしました。日本では「現場の作業は体で覚える」みたいな姿勢が求められがちですよね。また仕様書も、ある程度のスキル・経験を前提に書かれていたり、主語が抜けていたりと、誰でも使えるものではない場合が多いです。そこで、ベトナムのエンジニアがコピー&ペーストで作業可能なレベルまで仕様書を作り込んで、最低限のコミュニケーションで進める事ができるようにしました。

M:「このゲームでは何十万人というお客さまが遊んでいて……」と口で説明しても具体的にイメージできないようで、どうやったら実感してもらえるか、非常に苦労しました。背景を調べたところ、メンバーの多くがこれまでアウトソーシングの仕事しか経験していない事が分かりました。ベトナムにはグリーのプロダクトのようなBtoCの大規模なインターネットサービスが存在しないので、外資系企業からBtoBの仕事を請け負っているエンジニアが多いんです。

そこで、自分たちが開発したイベントは、必ず自分たちでプレイしてもらうようにしました。実際に遊んでいただくお客さまとの距離を埋めて、同じ感覚を持ってもらうのが狙いです。その結果、設立当初は指示待ちの人が多かったのが、自分から問題点を口にするようになり、モチベーションを引き出す事に成功しました。やはり開発者にとって、自分の作ったサービスがどう使われているかが分かると、面白くなりますから。

グローバルで必要なのは「主体性」と「勢い」

海外で活躍するにはどんなスキル・マインドが大事でしょうか?

I:「勢い」ですね。海外では正解が用意されていない事が多いので、慎重になりすぎて何もしないより、積極的に色々なチャレンジをして正解を探していく必要があります。また日本人は飲み会でも日本人同士で話しこんだり英語が苦手だからといって消極的になったりしがちですが、積極的にその場を楽しもう、という姿勢が大事です。

M:「主体性」ですね。現地の問題は、結局現地にいないと分からないケースが多いので、それを自分から見つけ出して、日本側にレポートしつつ解決していくことが求められます。でないと、今は映像で会議もできますから、行く意味がありません。あとは日本の常識では通用しないことも多いので、思考に柔軟性があればなお良いですね。

言語面では、なにか意識していることはありますか?

日本語では、意思疎通に時間をかけないよう、余計な要素を削ぎ落としたシンプルなコミュニケーションを心がけるようにしています。敬語の細かいニュアンスは非ネイティブには伝わりにくいので、冗長な表現を使わないほうが業務が円滑に進みます。また、口頭よりも文章で伝えた方が理解が促進されるので、説明後は必ずチャットで補足するようにしています。目的・背景をちゃんと説明し、納得してもらう事が重要ですね。
英語については、日本人は三単現のSなど細かい文法を気にしがちですが、ベトナム人もネイティブではないので、そこは大した問題ではありません。「Please Change A to B」くらいシンプルな伝え方で十分成立しますから。

チーム内でのコミュニケーションは、どのようにとっていますか?

ベトナム人は陽気な人が多いので、円滑にチームビルディングは図れていますね。また仲間意識が強く、チームメンバーの事を「ファミリー」と呼ぶ人も多いです。プライベートと仕事の境目があまり無いのも特徴ですね。日本人とベトナム人一緒に仕事帰りにテニスをしたり、週末を利用してカンボジアに旅行に行ったりしています。

ただ、ベトナムの人は相談や悩みを自分から話すことが少なく、「最近何か問題はない?」と聞いても「OK、OK」と強がって、本音をなかなか話してくれません。そこで、メンバーと2週間に一度面談を行って「自分はあなたに対してこう評価している」「日本側ではこの案件を今こう見ている」など、短期的なフィードバックするようにしました。これを始めたところ、少しずつ話してくれるようになりました。

あとは、ランチタイムを利用して、技術トピックを指名制で発表するという事を、1年くらい続けました。盛り上がる回と盛り上がらない回があるのですが、現場の刺激にはなったと思います。コアな技術の発表のときは、結構盛り上がりましたね。


いかがでしたでしょうか? 本インタビューを通して、グローバルな現場ならではの課題を、若手社員が工夫して乗り越えてきたのを感じていただければ幸いです。



この他にもグリーには、グローバル戦略を担う社員の育成に向けて、定期的に海外拠点に派遣する「GREE Global Exchange Program」という制度などありますが、そのご紹介は別の機会に。



それでは皆さん、Hen gap lai!(ベトナム語でさようなら!)

以上

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