アウモ×町田市 アウモ初の自治体との協定で、新たな地域活性化を

2023年6月、グリーグループのアウモ株式会社(以下「アウモ」)、東京都町田市、町田市観光コンベンション協会の三者は、地域活性を目的とした協定を締結しました。(プレスリリースはこちら
アウモの自治体との協定は町田市が初めてです。本協定は、観光やグルメなどの最新情報が見つかる国内最大級のおでかけ情報サービス「aumo(アウモ)」を活用して町田市のイベントや観光情報を発信することで、町田市の地域活性・観光促進を目指しています。今回は、町田市役所 渡邉さん、町田市観光コンベンション協会 福栄さん、そしてアウモ株式会社 椎橋さんの3名にお集まりいただき、この協定に至るまでの経緯や、期待していること、今後の展望について伺いました。

左から町田市観光コンベンション協会の福栄さん、町田市役所の渡邉さん、アウモ株式会社の椎橋さん

※以下敬称略

渡邉:町田市経済観光部 観光まちづくり課
2017年町田市役所入庁。各種証明発行や住民異動、保険の届出などの窓口業務を市民センターで経験後、2020年現部署へ。過去には市を代表する町田さくらまつり等のイベント事務を担当。現在は観光施設である小野路宿里山交流館の管理運営のほか、町田市に多くの方が訪れるようPRを行うシティセールス活動を担当する。


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福栄:一般社団法人町田市観光コンベンション協会 事務局次長
テレビ局の美術制作会社にて、企業イベントやセールスプロモーションの進行管理、アシスタントプロデューサーを経て、2012年に入社。町田市のシティセールス事業や町田シバヒロ※の運営管理の立ち上げに従事。2019年より現職。現在は協会全体の事業部門の統括管理を行う。
※町田市観光コンベンション協会が管理する芝生広場。スポーツイベントをはじめ、フリーマーケットやワークショップなどの催しが行われている。


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椎橋:アウモ株式会社 / SaaS事業部 / 副部長
前職で広告営業、プランナーを経て、2018年にアウモ立ち上げのタイミングで入社。アウモでは中小企業への営業業務や、大阪・名古屋・福岡などの地方における新規顧客の開拓、代理店開拓を担当。現在は、自治体や観光団体、またプロスポーツチームとの地方創生を目的とした取り組みを担う。

三者連携で町田市の魅力発信を強化

ーー町田市と町田市観光コンベンション協会、アウモの三者間で協定を結ばれましたが、改めてその内容を伺えますか。



椎橋:アウモが運営しているおでかけ情報サービス「aumo」を活用して、町田市の観光スポットやイベント、店舗情報等の発信を行い、町田市の魅力をより多くの方に知っていただくことで地域活性・観光促進を目指すというものです。



渡邉:町田市と町田市観光コンベンション協会が発信したい観光情報をアウモさんに提供し、「aumo」に記事として掲載していただくなど、町田市の魅力発信を強化することを目的にしています。町田市をさらに活性化する取り組みの一つと考えています。

ーー今回、三者が連携するに至った経緯を教えていただけますか。



椎橋:2021年10月頃からお話をさせていただきました。当時、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う緊急事態宣言の発令などもあり、全国の観光地が苦しい状況下にありました。不要不急の外出自粛が緩和された頃から、アウモとしては、県をまたがず3密を避けながらも観光を楽しむ「マイクロツーリズム(=近場のおでかけ)」を推奨する方向で、自治体や観光協会と連携が取れないかと考えていました。そんな私たちのアイデアと町田市の皆さんのニーズがマッチし、今回の協定締結に至りました。



渡邉:町田市では、広報誌や公式サイトだけでなく、地域のタウン誌などにも市内の観光スポットに関する情報を掲載して、町田市民や近隣の自治体にお住まいの皆さまを中心に情報発信しています。ただ、こうした発信が若い方たちに届いていないという課題感も持っていました。そのため、若年層を含め幅広いユーザー層が利用する「aumo」への掲載という提案に大変興味を持ち、町田市観光コンベンション協会とも連携を図り、三者間で協力して地域活性化への取り組みを進めることを決めました。

幅広い層にアプローチできるのが「aumo」の強み

ーーおでかけ情報サービス「aumo」に対して、どのような印象をお持ちでしょう。



渡邉:おでかけに関連する情報が集約されているのでとても便利ですし、特に私たちの課題でもある、若い方たちにも情報が届くという点に強みを感じています。町田市の公式サイトにもいろいろな情報を掲載しているのですが、おでかけの際、面白そうな情報がないか調べるときに「自治体の公式サイトを見てみよう」と思うことは少ないですよね。そういった情報検索の場面で最初の一歩になるのは「aumo」のような身近な情報サイトだと思うのでとても期待していますね。



福栄:町田市観光コンベンション協会は、町田市と協力しながら市の観光情報をSNSやWEBサイト等で発信するという事業を担っていますが、ユーザーの年齢層が偏っていることや、新規の飲食店などトレンドを発信しにくいという課題があります。それに対して「aumo」は幅広い世代のユーザー層が利用しており、トレンドのおすすめスポットをクローズアップできるなど、今回の連携の話を聞いた時に課題解決に繋がるのでないかと感じました。また、これまで女性をターゲットとした情報発信がうまくできていなかったのですが、「aumo」なら女性ユーザーにもしっかり情報が届くと思うので町田市としても、観光コンベンション協会としても積極的に活用していきたいと思っています。

ーー現在、それぞれどのような役割を担われているのでしょう。



椎橋:どのような情報を出すかは町田市が考え、それに基づきアウモ側で戦略を立てて発信していくというかたちをとっています。また、今回の協定締結を記念して町田市内の事業者限定で、アウモが運営・開発する店舗向けマーケティングSaaS「aumoマイビジネス」を一定期間無償でご提供させていただいています。こうしたご案内も含め、本協定における私たちとの取り組みや今後打ち出していく施策について、市内の事業者の皆さまにお知らせする役割を町田市観光コンベンション協会にお願いしています。



福栄:観光コンベンション協会には、町田市内の飲食店や個人商店など規模の小さい事業者さまも多く加盟されています。お店のホームページを作成するところまで手が回らないという事業者さまも多いので、協会としては、会員サービスの一環として「aumoマイビジネス」の活用をご紹介しています。「aumoマイビジネス」では「aumo」内に店舗のページを作成することができるので、これまでよりも格段に露出が増えます。会員事業者の皆さまにとっては大きなメリットになり、喜んでいただいています。

8カ月の実証実験で確実な手応え、「aumo」への記事掲載の影響で来場者層に変化も

ーー協定締結の前に実証実験が行われたとのことですが、その内容や成果を伺えますか。



渡邉:はい。協定締結前の2022年4月から12月までの8カ月間、実証実験を実施しており、市役所が中心になって開催している季節ごとのイベント情報などを「aumo」に掲載することで、若い層にどのようにアプローチできるのか試し、閲覧数の推移なども確認させていただきました。中でも、町田薬師池公園四季彩の杜に「西園」という、比較的若い層をターゲットとした施設があるのですが、この施設の情報を厚めに掲出したところ、かなり多くの方が記事を閲覧しており、手応えを感じました。



椎橋:例えば、Googleで「東京 公園」と検索すると、「aumo」の公園特集記事が検索順位の2番目に表示されるのですが(2023年12月11日現在)、その中に2022年10月25日から2023年11月30日まで四季彩の杜のPR記事を入れていました。町田薬師池公園四季彩の杜の他に都内の公園10カ所を紹介しており、町田市内、あるいは近隣の自治体にお住まいの方が「都内で行ったことがない公園に行ってみたいな」とか「面白そうな公園はないかな」と思って検索した際に「ここなら近所だから行ってみよう」と思っていただけるように工夫しています。実証実験では、他にも検索キーワードで上位表示される複数の記事を活用して効果測定を行っていきました。


ーー特にアウモにとっては初めての自治体との連携でしたが、それぞれ協定締結にあたって、官民の考え方の違いや、進め方の違いなどは感じられましたか?



椎橋:確かに、アウモにとっては初めての取り組みでしたが、町田市がもともと民間企業との連携に非常に積極的で、柔軟な考えをお持ちだったので、実証実験から協定締結まで、非常にスムーズに進めることができ、とても感謝しています。



渡邉:町田市は、「より良くする」、「効果が見込める」というものについては、どんどん取り入れていこうという前向きな姿勢を持っています。今回の協定についても、アウモの強みを活用させていただく形で町田市の地域活性化を加速できれば、という期待を込めて積極的に動くことができ、官民の隔たりなく、同じ目線で進めることができたと思っています。

「aumo」活用の効果が本格化するのはこれから、「aumo」の強みを活かした情報発信に期待

ーー協定締結からまだ半年足らずではありますが、印象に残っていることがあれば教えてください。



渡邉:町田市の郊外に、「里山を歩く」ことをテーマとした「小野路宿里山交流館」という施設があります。比較的年齢層の高い方々が多く訪れる施設なのですが、その施設の情報をまとめた記事の掲載が「aumo」でスタートしており、来訪者にどのような変化が現れるのかを楽しみにしているところです。(aumoに掲載の記事はこちらから)



椎橋:「ウォーキング」や「ハイキング」などは、若い方たちにも人気のあるテーマです。利用者層を限定せず、若い人たちにも面白いと感じてもらえるような情報発信をすることで、これまでとは違う層の方々の来訪が増える見込みは十分にあります。まだ取り組みを始めて間もないのですが、さまざまな効果を生んでいきたいと思っています。

ーー皆さん、「町田市をPRし、さらに活性化させていきたい」という同じ考えをお持ちだと思いますが、それぞれ今後の抱負を教えてください。



福栄:観光コンベンション協会では、「aumo」の強みを生かせるような情報は「aumo」にお任せして、私たちのサイトで効果が出そうなものはこちらでというように、住み分けをしています。例えば、メニューや価格、口コミ評価といった飲食店の情報は、ユーザーニーズが高いですが、私どものサイトでは掲載できないため、「aumo」を頼りにしています。今後はこの住み分けをより効率的に精度高くしていきたいと思っています。お互いの得意な部分をしっかりと活用していけたらいいですね。



椎橋:そうですね、「aumo」だからこそ出せる情報や出来る工夫があると思うので、私たちもいろいろと提案していきたいと思っています。



福栄:ありがとうございます。もう一つ、実際に「aumo」を見て来てくれた人がどれくらいいるのか、効果測定できる施策にも着手したいですね。それによって、「飲食店にもっと人が集まるようにするには」とか、「文化施設に足を運んでもらうためには」など、目的やテーマに沿った情報発信のセグメントに役立てていけるのではないかと考えています。



椎橋:もちろん、そういった仕掛けもできるので、まずは、イベントなどでテストしていけるといいですね。例えば、店頭で「aumoを見て来ました」と言うと、何かのサービスを受けられたり、割引があったりというようなことも一つの方法です。今後は取り組みの効果測定の方法もいろいろと考えながら、新しい戦略を立てていきます!



渡邉:いいですね。町田市に観光スポットや飲食店はたくさんありますが、まだまだ多くの方に知られていない場所もあります。まずはマイクロツーリズムとして、市内や近隣の方たちに「近場でちょっと楽しみたい」と気軽な感じで訪れてもらい、「町田って、いいところだな」と愛着を持っていただけるようにしていきたいです。



福栄:今後とも、よろしくお願いいたします。



椎橋:こちらこそ、よろしくお願いいたします。